『檸檬』事件を経て…
卒業生
先週卒業した生徒が、黄色いお花とレモン風味のお菓子を持って遊びに来てくれました!「黄色い」お花と「レモン」のお菓子には、実は深い因果関係があるのです…。(長くなりますので、お時間ある方のみお読みください!)
あれは2024年6月ごろのこと。彼女たちは高校2年生でした。国語科のK先生とG先生は文学の授業で梶井基次郎の『檸檬』を教えていました。するとある日、両先生の職員室の机上に「カーンと冴えかかった」レモンが置いてあり、「梶井基次郎より」とそれらしく直筆めいたメモが添えてあるではありませんか!
この状況に、さすがの両先生もぎょっとし、青ざめました。なぜなら梶井基次郎の『檸檬』では、檸檬は「爆弾の象徴」や「文化的秩序の崩壊」などを意図するものだからです。一体いつ、誰が、どういう意図でこのレモンを置いたのか…。両先生は、自分の担当する生徒全員に(先生にまで)聞いて回りましたが、名乗り出る人は誰一人おらず。訳あり顔のT先生を問い詰めたところ、「誰が置いたかは知っていますが、約束なので言えません。でも悪意はないと思うので安心して大丈夫です」と。
ますます不穏な状況が続く中、あるクラスの黒板の右上にひっそりと「犯人はK」と書いてあったのです。「K」…?この檸檬事件に関係する人物なのか?『こころ』にも「K」が登場する…?など、「K」に関する思い当たる人を色々と考え追求しましたが、真相は謎のまま。両先生も諦めて、そのレモンをスライスし美味しくレモンティーをいただくのでした。ただG先生はそのメモをひそかに筆箱に忍ばせておいたことを忘れませんでした。
それからほぼ一年9カ月の月日が経ち、2026年3月3日卒業式を迎えました。卒業文集をふと読むと、二人の生徒が「檸檬事件調査記」「梶井基次郎より」というタイトルで文を綴っていたことを発見!両先生も忘れていたあの檸檬事件を振り返り、改めて驚愕するのでした…。
…という訳で、卒業後に「両先生に改めておわびを」ということで、この件に関わった三人が、お花とお菓子を持って遊びに来てくれたのでした。あの時は悪ふざけや冗談のつもりでおこなったこと、『檸檬』を習ってすぐだったためレモンを置くことがそれほど大きな意味だとは思っていなかったこと、他にも共犯者がいた(計四人の犯行でした)ことなど、その事件のあらましと状況を、こと細かに打ち明けてくれました。どうやら黒板に「犯人はK」と書いたのは、黒板に書いた本人と共犯の生徒、ずっと口を割らなかったT先生(信頼できる先生です)のイニシャルであり、また梶井基次郎の「K」とも関連していたそうです!また、卒業文集の二人の文章力が豊かで、ユーモアもあり文才もあり、評価に値するものだったのもまた一興でした。
最後に、この件に関わったキャストたちと、G先生の筆箱から出てきた証拠物件(メモ)と共に、笑顔の写真をパチリ!こうして長年にわたる檸檬事件はめでたく完結を遂げたのでした。
わざわざ学校に来てくれてどうもありがとう!また気軽に遊びに来てくださいね。
※良い生徒は『檸檬』を学んでもどうか真似をしないでください…!




