中1思考と表現 特別授業「VTS(対話型の美術鑑賞)」!
思考力教育思考と表現
中1「思考と表現」の授業では、NPO法人ARDAの方々をお招きして、2時間のVTS(対話型の美術鑑賞)の授業が行われました!
まずは教室で講師の方々からのお話を聞き、会場を移動して、小グループに分かれて活動します。何枚かの絵の中から各自気に入った絵を発表しあった後は、絵を比較しながら共通点探し。「動物つながり!」「三角つながり!」などモチーフに着目するだけでなく、「画面のこちらから誰かがのぞいているみたい」など、見えない共通点に気づいたり、生徒たちの意見が飛び交います。「どんな音が聞こえる?」「オノマトペで表現すると?」などの問いかけにも、「絵のどこからそう感じたのか?」考えることを促すやり取りの中で、自分の感じたことに対する根拠が言えるようになっていきました。
2時間目はクラスを半分に分けて、いよいよ本題、3枚のアート作品の鑑賞です。それぞぞれの意見を持ち寄って対話を重ねることを通して、作品をより深く理解していく姿が見られました。この日のテーマにそって選ばれた3作品の最後の作品は、義足の女性が橋の上に立つ写真作品でした。女性の視線の先、背景、身にまとっているもの、ペインティングなど、生徒はそれぞれの見方で作品の各所に注目し、感じたことを一つひとつ丁寧に言語化していきます。細かい所まで観察しようと身を乗り出す生徒もいました。「蝶やフリルなどの装飾が美しい」「なぜこの場所で撮影したのか?」など、表現に込められた作者の気持ちに思いをはせながら、作品を見る目も解釈も深まっていき、出てくる言葉の引き出しも増えていきました!
最後は教室に戻り、作品にタイトルをつけて終了です。鑑賞を経てのそれぞれ感性があふれたタイトル(ふせん)がたくさん貼られて大盛り上がり!同じものを見ても様々に異なる友だちの考えや発想を知ることができました。生徒たちは「楽しかった!」「いつもより自分の意見が言えました」「もっと続けたかった」「友だちの話を聞くのが面白かった」「来週もVTSやりたいです」と大満足の様子!もともと絵や美術が好きな生徒が多い中1ですが、絵画に対する興味関心もさらに増したようです。ARDAの方々からも、「トキワ松の生徒たちは美術好きなのがすごく伝わってきました!」「他校では見られないような熱心に観察しないと出てこない、初めて出会う着眼点がたくさんありました」「自分の気持ちを正確に伝えようと言葉を選んで丁寧に語る様子が印象的でした」「素直に取り組んでくれて、問いを重ねるほどに言葉が出てきて驚きました」「私たち自身も楽しい鑑賞ができました」と、嬉しいお言葉をいただきました!
対象をじっくり観察し、自分の感じたことを言語化して伝えること。他を受け入れ認めること。コミュニケーションにおいて一番大切なことです。他の生徒の意見を聞くことで、自分の見方や感性をより深めることができるのもVTSの醍醐味。今後の授業でも、引き続きVTSを行っていく予定です!